
体のバランスがとれない状態について
体のバランスがとれない状態について
「体のバランスがとれない」と感じたことはありませんか?ふらつきや足元の不安定さ、まっすぐ歩けないといった感覚は、誰にでも起こり得るものです。しかし、これらが頻繁に続いたり、日常生活に支障をきたすようであれば、耳や神経系の不調が隠れている可能性があります。
人間は、視覚、内耳の平衡器官(前庭)、筋肉や関節の感覚、脳など複数のシステムが協力して姿勢や動作のバランスを保っています。これらのうちのどこかに問題が起こると、「まっすぐ立てない」「歩くとふらつく」「頭が重い」といった症状が出現するのです。
「体のバランスがとれない」という症状は、加齢、病気、ストレス、さらには生活習慣の影響によっても現れるため、正しい原因を見極めて適切な対処を行うことが非常に重要です。
正しい診断と検査によって、自分の体に何が起こっているのかを知ることが、改善への第一歩です。バランス感覚に違和感がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
「体のバランスが崩れる」状態には様々な原因がありますが、大きく分けると以下のような分類が可能です。
内耳には「三半規管」や「耳石器」といった、体の傾きや回転を感知する平衡感覚の中枢が存在します。ここに異常が起こると、脳に正確な情報が送られず、ふらつきや浮遊感が生じます。
脳幹や小脳といった「バランス調整中枢」に異常があると、ふらつきや運動失調が起こります。
症状の現れ方は原因によって異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
「まっすぐ歩けない」「地面が揺れているように感じる」といった、平衡感覚の不安定さが最も多い症状です。特に歩行中や狭い場所で不安定さが目立ちます。
自分や周囲がグルグル回る感覚です。内耳の異常でよくみられますが、中枢性めまいでも起こることがあります。
「ふわふわする」「宙に浮いているような感覚」が長時間続くタイプの症状です。自律神経の不調やストレス性の原因で見られることがあります。
特に高齢者では、バランス感覚の低下が転倒リスクを高めます。歩行中のふらつきが増えたと感じたら、早めの受診が大切です。
耳鼻咽喉科では、「体のバランスがとれない」という症状の原因を特定するために、詳細な問診と各種検査を組み合わせて診断を行います。
いつから、どのような状況で症状が出るのか、どのような感覚かを詳しくお伺いします。特に「めまいを感じるか」「耳の症状を伴うか」「どのような時に悪化・改善するか」などが重要な情報となります。
耳鏡で耳の中を観察し、中耳炎や鼓膜の異常の有無を確認します。内耳の病気を想定した診察も行います。
メニエール病や突発性難聴など、内耳の障害を疑う際には聴力の測定が不可欠です。聴力に異常があるかどうかが診断の決め手となることもあります。
眼の動き(眼振)を観察することで、内耳や神経の異常を判断します。めまいの種類によって異なる眼振パターンが見られます。
身体の揺れ具合を機械で計測し、バランス機能の程度を客観的に評価します。立った状態で目を開けた時と閉じた時の揺れ方を比較することで、どの感覚系に異常があるかを推測します。
良性発作性頭位めまい症の診断に使用される検査です。頭を特定の位置に動かし、めまいや眼振が誘発されるかを観察します。
中枢性めまいが疑われる場合、脳神経内科との連携のもとでMRIやCTを行い、脳の異常を確認します。
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