
のどの痛み
のどの痛み
のどの痛みは、多くの人が経験する非常に一般的な症状のひとつです。朝起きたときに「のどがイガイガする」「唾を飲み込むと痛い」「話すのがつらい」といった違和感から始まり、時には強い痛みや発熱を伴うこともあります。風邪の初期症状としてよく見られるほか、アレルギーや乾燥、ウイルスや細菌感染、さらには声の使い過ぎなど、さまざまな要因で発症します。
のどは、空気と食べ物の通り道であると同時に、免疫機能や発声の役割も担っています。そのため、のどに異常が起こると全身の不調につながることもあります。軽い痛みであっても、慢性的に続く場合や繰り返す場合には、早めの診察と適切な治療が重要です。
当院では、丁寧な問診と最新の内視鏡機器を用いた診察で、のどの痛みの根本原因を明確にし、患者さま一人ひとりに合わせた治療を提供しております。つらいのどの痛みでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
のどの痛みを引き起こす原因には、大きく分けて「感染性」と「非感染性」のものがあります。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
最も一般的なのがウイルスによる感染です。風邪(感冒)の大部分はウイルスが原因で、のどの粘膜が炎症を起こすことで痛みが生じます。主なウイルスには、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどがあります。多くの場合、数日から1週間程度で自然に回復します。
ウイルスよりも症状が重くなりやすいのが細菌感染です。特に「溶連菌(ようれんきん)」による咽頭炎や扁桃炎は、発熱や強いのどの痛み、膿の付着などを伴うことがあります。その場合抗生物質が必要にます。
ハウスダストや花粉、動物の毛などに対するアレルギー反応でのどの粘膜が刺激され、炎症が起きることがあります。かゆみや乾燥感を伴うことも多く、季節性のある痛みとして現れることも特徴です。
冬場や空調の効いた室内では空気が乾燥しやすく、のどの粘膜が傷つきやすくなります。乾燥によって防御機能が低下し、ウイルスや細菌に感染しやすくなる悪循環も起こります。
長時間の会話、大声での発声、歌唱指導や講義など、声を多く使う職業の方に多い原因です。声帯に負担がかかることで炎症が生じ、痛みを引き起こします。
食道や咽頭に胃酸が逆流することで、のどの粘膜が刺激され、持続的なのどの痛みや違和感が生じることがあります。空腹時や就寝時に痛みが強くなるのが特徴です。
タバコや化学物質、粉じんなどの吸入により、のどの粘膜が慢性的に刺激を受けると、痛みや違和感が長期にわたって続くことがあります。慢性咽頭炎の原因にもなります。
まれではありますが、のどの痛みが長期間続いたり、他の治療で改善しない場合には、腫瘍性疾患の可能性も考慮する必要があります。とくに喫煙・飲酒歴のある中高年では注意が必要です。
のどの痛みには、単なる違和感から強い炎症を伴うものまで、さまざまな症状が現れます。以下のような症状がある場合、耳鼻科での診察が推奨されます。
軽い痛みが長引いたり、何度も繰り返したりする場合には、アレルギーや慢性炎症の可能性もあるため、自己判断せず、専門的な検査を受けることが大切です。
のどの痛みの原因を特定するには、耳鼻咽喉科での検査が不可欠です。以下に、代表的な検査法を詳しくご紹介します。
問診・視診
医師はまず、症状の経過や発症のきっかけ、発熱の有無、声の変化、飲み込みづらさなどを丁寧に聞き取ります。そのうえで、口を開けてのどの奥(咽頭)や扁桃腺の状態、腫れ・発赤・膿の有無などを視診します。
鼻咽頭・喉頭ファイバースコープ検査
ファイバースコープと呼ばれる細いカメラを鼻から挿入し、のどの奥、声帯、咽頭、喉頭の状態を直接観察する検査です。痛みの原因が粘膜の炎症か、ポリープや腫瘍のような構造異常かを見極めるのに有効です。麻酔スプレーを使うため、痛みもほとんどありません。
細菌・ウイルス検査(迅速検査)
綿棒でのどの粘膜をこすり、溶連菌やインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの感染の有無を検査します。5〜15分ほどで結果が出る迅速検査キットもあります。
血液検査
血液を調べることで、炎症の程度や感染の種類、アレルギーの有無などを把握することができます。白血球数やCRP(炎症反応)などが高値を示す場合は、細菌感染や重度の炎症が疑われます。
画像検査(X線検査・CT検査・MRI検査)
のどの奥や周辺組織に異常がある場合、X線やCT、必要に応じてMRIで詳しく調べることがあります。特に腫瘍の疑いがある場合には重要な検査です。
アレルギー検査
慢性的なのどの違和感や痛みが、アレルギーによるものであると疑われる場合には、血液検査でアレルゲンを特定します。花粉やダニ、動物の毛、食物など、原因を突き止めることで適切な対策が可能になります。
胃酸逆流の評価
問診や内視鏡検査により、胃酸の逆流によってのどが炎症を起こしているかどうかを判断します。逆流性食道炎が原因の場合、耳鼻科と消化器内科の連携が必要となるケースもあります。
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